游韋倫
YÓU Uelen
2017年入社
事業統括 商品開発U
SCROLL
丁寧で優しい日本という国
私は台湾人。
私の両親は、小さいころから私の意志を尊重し、
「好きなことを見つけなさい。好きなことをやりなさい。」と応援してくれた。
私が今も、新しいことに挑戦し続けられるのは、両親の応援があるからだと思う。
大学では経済学を学んでいたが、その頃から語学に興味を持っていた。
中国語と英語を話す環境にいたことによって、
言語と文化が繋がることを昔から意識するようになっていたのだと思う。
そして、いつからか日本語に興味を持つようになった。
「いただきます」という言葉は、英語にも中国語にもない。
そんな言葉、そんな文化を持つ日本に、惹かれた。
兵役を終えて軍隊を出た後、台湾の大学院で日本語を勉強した。
その大学院の先生の勧めもあって、日本に来ることになった。
おとなしいタイプの自分にとっては、日本はとても過ごしやすい。
アメリカでも台湾でも強い自己主張が求められるが、日本は相手の意図を汲み取ることを大切にしている。
人と人の付き合い方が丁寧で、優しい。私は自然と日本で暮らし、日本で働くことを選んでいた
外国人と触れ合う教育が持つ可能性
初めて就職したのは、大学の教授と連携して、英語教育のプログラムを開発する会社。
少人数の会社だったため、プログラム開発だけでなく、
経営企画や管理など、包括的に仕事を学ぶことができた。
また、小中高生向けに英会話教室の運営もしていた。
日本の子どもたちに、外国人の先生が英語を教える。
初めはシャイな子どもたちも、実際に外国人と触れることで、
心を開き、笑顔が増えていく。
見る見るうちに積極的にコミュニケーションをとれるように変化していく。
その様子を間近で見ながら、外国人と直接触れ合う教育の可能性の大きさを感じた。
小さな教室で密接に教育に携わっていたからこそ、
私の中に「もっと幅広く教育に貢献したい」という思いが生まれた。
そこで、ALT派遣という領域で存在感の大きいインタラックに転職した。
インタラックに入社してからは、子ども向けの学習教材の開発を担当した。
小さな英会話教室でのプログラムは、「楽しいこと」が優先されていたが、
公教育では、楽しいだけでは不十分。
どんな時も「教育の意義は」という問いが立ちはだかる。
難しいけれど、やりがいがある。
国に代わって学習指導要領の英語版をつくる
2019年、私は新しいプロジェクトを進めることになる。
2020年の学習指導要領改訂に際して、当初は文部科学省が新しい英訳版を作る予定だった。
ところが、改訂に向けて様々な業務が動く中、文部科学省では作れないことが確定した。
日本には約13,000人のALTが働いていて、インタラックだけでも3,000人以上が働いている。
これから10年以上、この新しい学習指導要領をもとに教育が行われていく。
その正しい情報を3,000人以上の仲間に伝える必要がある、
そうでなければ子どもたちに良い教育が届けられないと思い、プロジェクトをスタートさせた。
ALTについて学校の先生から苦言を頂く時、そのほとんどがお互いの理解不足によるものだ。
問題は人ではなく、間にある。
インタラックで働くようになって知ったこの考え方は、私の仕事の基礎になった。
問題は間にあるからこそ、コミュニケーションを大切に、ニュアンスを大切に。
学習指導要領の英訳は、学校とALTの間を埋める、
大事なコミュニケーションだと、大きな使命感を感じた。
学習指導要領の膨大な量と難解な文章、そして高めたいクオリティ。
私ひとりでは到底実現できない。
しかし、私はもともと研究者肌で、一人で仕事をすることを好み、
誰かと一緒に仕事をすることが苦手な面があった。
おそらく周囲の人も、私のその雰囲気を感じ、話しかけることを避けていたと思う。
自分を変えないと、プロジェクトのゴールに辿り着けない。
「嫌われたらどうしよう」という心のブレーキを外し、部署を超えて協力を求めた。
インタラックの仲間たちは、想像以上に協力的で、みんな自分の仕事を止めて、
私の方を向いて話を聞いてくれた。
インタラックには、たくさんの国籍、多様な人種、
様々なバックグラウンドを持った社員がいる。
けれど、教育に対する熱い想いを、全員が持っている。
仲間たちの協力によって、半年に及ぶプロジェクトは無事成功し、
3,000人以上の仲間に新しい学習指導要領の英訳を届けることができた。
このプロジェクトは、リンクアンドモチベーショングループ全体の中でも、特別な賞を受賞した。
私たちの仕事には無限の可能性がある
プロジェクトを通じて、多くの外部の専門家とも仕事をした。
外部の専門家たちも、インタラックの理念である「全人格的教育」に共感してくれる。
私は、社内だけでなく社外にも、想いで繋がるネットワークを広げていきたい。
教育とは可能性を育むことだ。そして私たちの仕事には、無限の可能性がある。
新型コロナウイルスという危機は、テクノロジーの可能性を加速させた。
この先も、時代と共に教育は変化していく。
私には、私たちには、できることが無限にある。私はこれからも、挑戦を続けていく。